LEE6月号(集英社) 「ものを書く」を仕事にする

上「ものを書くを仕事にする」特集に、ちょっと載せていただきました。

ライター、作家志望の方へ、といってもそのくくりは幅広すぎて、助言だなんて不可能だけれど、あらゆるジャンルの書籍著者志望の方へ、「10文字以内でコンセプトが言えると強い」ということだけは、肝心かもしれません。

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もっと強いのは、「やめないこと」。昨年すばる文学賞をとられた奥田亜希子さんのインタビュ記事がよかったです。

奥田さんのデビュー作『左目に映る星』は、(うろ覚えだけれど)他者の中で浮いている異星人同士の頼りない遭遇と、そのユニットが世界とじょじょに統合していく、すこし諦めもはいった前向き感が描かれたもの、と私は解釈しました。

もともと『Another Planet』だったかな、そういうタイトルを編集さんに変えられたらしいです。「この英語タイトルでは読者に認識されづらいでしょう」編集さんの気持ちはわかる。でもこのお話は本当はやっぱり『Another Planet』かなと思います。率直に(?)エイリアン感が描かれている・・。

鉛筆の先をひとなめ、ひとなめしては一文字書くような文体を(丁寧すぎるアスペ風文体とでもいいましょうか)よくも崩さずにここまで書き切られたなあと感心、、この方は、描写を「はしょる」感覚を手中にされたら、また違う凄さの作品を書かれるに違いないと思いました。

主婦の方で、ご結婚後にパートをされながら、子育てされながらの苦節6年半めの受賞だそうです。

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これから「来る」もの。こちら翻訳家の柴田元幸さんのおっしゃるように、70年代のラテンアメリカ文学ブームのような現象、、ほどになるかはわからないけど、「日本文学が来ている」私も感じます。「輸出」の努力をする方々により、脱・ガラパゴス化する作家が増えると思う。

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天埜裕文さんなんて、「輸出」されたらおもしろがられそう。柴田さんが仰っているのは、たとえばこういう作品のことだとおもう。金原ひとみさんももっと輸出されてほしいし・・・。いや、とっくにされているか。

「米国の小説より日本の小説の方が、たぶん自由度が高い。英語圏の小説にはきっちりとしたルールがあって、そこから逸脱するのが難しいような所があります。それに対して日本の小説はどんどん自分からズレていくような所があって、それが混沌とした現代社会をリアルに描き出すことに成功しているような気がします」(上記 柴田さんインタビューより)

でも、そういうことは雑誌向けではなさそうなので、違うことをお伝えしました。主婦投資の秘密結社、のようなおもしろい動きがあるのも本当です。「書く」業界に影響を及ぼされそうだなと思います。

LEE6月号—–


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