母の勘と、CS60もどき

郷里に帰ってきています。
今回もひたすら親に施術する帰省。

じゃっかん拉致感のある画像ですが…
「前より痛くない」と言う母アツコ、捕獲されたまま、じっと擦らせてくれました。顔を当たらせてくれたので、眼筋と視神経にアプローチできた。目付き悪いのがすこし治った。
75になるこの人は、しかしCS60を当てるとインナーチャイルドが立ち上がるのか、ぶつぶつと繰り言が出てくる。
「私は2歳のとき流行病で病院に隔離されて、その後は妹と弟が生まれ、母の愛情がみんなもっていかれて……」
こうなるとCS60では止まらないどころか、どんどん増長されてゆく。CSで古い記憶を呼び覚まされる人は多いけれど、良いのか良くないんだか。
しかし今回は秘密兵器をもってきたのだ。
「じんたんですよ」と言って口のなかにPulsatillaを入れると、まもなく涙目になって静かになられました。
2日めもこれで落ち着かれました。
トラウマの対処というのは、何歳から着手しても遅くないのかもしれない。
しかも、「そんな器具が何に効く」と、以前からぶつぶつ言ってたCS60に、意外と味を占めていたらしく、
「民芸店に、似たような器具があったので、買うた」と言う。
買うた? 
民芸?

って……

「これの、どこが、どう、似とんがじゃ」
驚きのあまり、娘、高校時代のガラ悪さに戻る。
「似とると思ったんやけど…」
首をひねるアツコ。このキノコっぽい民芸品で指圧をすると、CS60と同じような感覚だと言い張る。
あ、そう…。
CS60の効果はそのものの電磁力だけでなく、ピエゾ素子化もある。ことを考えれば、このキノコにも、それなりの圧電効果がある。かもしれないです。
恐るべし母アツコ、60万円+毎月のレンタル料がかかるCS60と民芸キノコを一緒くたにした。
それは照れともかく、
要らない薬を減らして、と、数年間口うるさく言ってきた甲斐があったのか、母は「あれをやめた」「これもやめた」と言う。以前よりもコンディションが良さそうにみえる。
しかし父の降圧剤との攻防戦はつづく。軽い脳梗塞をやっているから、怖いのはわかるけど、父の「虛」体質で降圧剤を飲み続けたら、きっとまた脳梗塞を起こす。
それよりふくらはぎに筋肉つけてくれないかな…(プロテインはだめ!)
「何やあ、おまえの独学なんかー」と唇をひん曲げる父。十代はこの顔に自尊心をやられっぱなしだったが、年をとったら、この人こそ親に自尊心を奪われていたのだとわかった。
長年「父」としてしか見てこなかったが、セラピーの目でみると、「父」はローティーンの、とあるフェーズにいるようだ。
ヒトとして生まれると、成長し、老化していく過程で必ず何らかの「症状」が出てくる。症状は、消えてもまた次の「症状」となって発露し、大きな球体のようなものの周りをぐるぐると移行する。完結した状態はない。それとどう付き合うかがQOLとして感知できるだけ。
そんなごたくも、しかし母の野生の勘にはかないません。
長年、地元の野菜の煮物を中心に、地元の米と魚を少しという食生活を続けて、糖尿もガンも心疾患も脳疾患もなく。そして、後期高齢を迎えるにあたり、父のリクエストで魚を減らし肉を増やしたという。いいんじゃないか。
しかもアツコ、自信満々に言った。
「脂の部分はぜんぶ、包丁できれいに取っとるからね」
豚の脂身はおなかに毒だと感じるからだそうです。母おそるべし。

デザート果物にもいちいち手をかけている。
ひと口大に切って、ひとつひとつラップでくるんで冷凍したら、この果物が何かわからなくなったという。食べてみたらマンゴーでした。母、おそるべし。

おまけ。
美味しくて帰省中に2回も3回も立ち寄ってしまうまめやコーヒー。富山ブラックという、超ほろにがブレンドにはまっています。
コーヒーが飲めないアツコもいそいそついてくるスイーツも、さっぱり大人味で別品揃い。店の氣もとてもよいです。
今日も、60代ほどの奥様連れの男性が、店主に、
「どうしてもこの銘柄が飲みたかった。今日は誕生日だから。わがまま言ってごめんなさい。ああ、おいしいなあ。ああ、おいしいなあ」
と何度も言って、店の空気を、プレジャー感マシマシにされていました。
こんなにコーヒーを美味しそうにすする人、初めて見た。お誕生日おめでとうございます。おじさんもきっと長生きしますね。

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