スタッフの青木ポンチです。
先日6/12に開催したイベントのご報告です。
“ダジャレ王”“分類王”こと編集者・作家である石黒謙吾さんをナビゲーターにお迎えし、『出版人カフェ[1] おしいボツネタ再生会議』なるワークショップを開催しました。
編集者や著者が隠し持つボツネタ(=実現していない出版企画)を、各社から集まった皆でこねてもんで、良ネタへ再生させようという、わりとライトなコンセプトの会(のつもり)でした。
いざフタを開けてみると…
“石黒無双”斬れまくり!
もともと、僕は石黒さんの『エア新書』『ダジャレ・ヌーヴォー』などエンタメ本のファンで、また、何度かおじゃました荻窪・六次元での『石黒ゼミ』のような、ぬる~い空気感の中、石黒さんがビールの泡を飛ばしながら笑い袋のように笑う、というイメージを想定していました。
しかし今宵はブラック石黒全開の「ダークナイト」に。
門外不出の「石黒メモ」の一部をここで紹介いたします。
「マニアや本好きに向けた企画」というが、マニアや本好きはほっといても本を買う。(新刊の平台を狙うなら)彼らに向けた企画を考えてはダメ
目利きのオタク書店員ではなく、狙うは昨日今日バイトで入った20代の女性店員。何も知らない彼女らが無数の新刊のうちどれを平台に並べるか、に本の運命はかかっている
・・・このあたりで早くもベテラン編集たちが無言になりました。次。
出版社の編集者は(できる人ほど)1日何十もの企画を動かしているので、企画書なんていちいち読まない。3行以上の企画意図なんて完全スルー、書名と著者名とコピーを「見る」だけ
企画の命運を握るのは、担当編集ではなく、会議でOKを出す上司。おじさん(おもに40~50代男性)によくわかる言葉・企画でないとアウト
もう、涙目になりそうなライターさんもいます・・。さらに追い打ちが。
編集者は頭が切れるので、企画書に「わかりきっていること」をもっともらしく書き立てても行数のムダ、紙資源のムダ
編集者の自己満足は最悪。特に歴史ある専門系書籍の編集部に多いけど、意味なく横組みにする、帯をトレペにする、それでもって原稿料は激安…こんな本×××したくなりますよ!(以下自粛)
会場のふわっとした空気を怪気炎で焼き尽くしつつ、でも、「売れる本のことなんて知らない。自分は自分が面白い本を出して、好きな編集者数人が喜べばじゅうぶん」と、果てなき出版愛で包み込む石黒マスター。
さらに、大ベストセラーの自著『盲導犬クイールの一生』をもってして、「これは自分にとって“B面”。クイールにはとても感謝しているけど、自分の本来の性質にそぐう本ではない」と言い切る石黒マスター。シビレます。
また次回、石黒マスターにご依頼したいと思っておりますので、出版関係のかた、ぜひお化け屋敷感覚(絶叫系)で来てください。
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