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朝日新聞の記事より。「後ろ向きに生きよう」って、最近なぜか皆さんに受けているフレーズです。長く生きる作家ならでは、かもしれないけれど、作品は前向きなだけではつくり続けられない。ときにネガティブな、後ろ向きな、そして文字どおり過去の道から力をもらって生きています という。
近ごろ、いろいろなメディアに出していただきすっかりデジャビュ感が積もったかもしれないみつはしさんと『ちい恋』43集ネタですが、最近の掲載刊としては、朝日新聞、『いきいき』に掲載、そして今週の『週刊朝日』で林真理子さんと対談させて戴いています。
さすが、林真理子さんは対談じょうずで、新たな引き出しをばんばんとあけてくださった。中には家族、スタッフの知らないことまでも(・・)
「(初)デートといっても…初めて一緒に行った映画が『南太平洋』というミュージカル…こういうときは手を握ってくれるのかなと思っていたら…」
「(ハーイあっこです)の連載を頼まれたとき、はじめは朝日新聞社に断りに行ったんですよ。そうしたらけっこう気さくでハンサムな方が出てきて……」
「(朝はちゃんと起きて(こどもの)お弁当を作った?と林さんに聞かれ)いえ、おばあちゃん(姑)がやってくれました」
「私、躁うつなんですよ」
「(今後は)その後のチッチのひとりごとみたいな詩画集を出したいなと思って」
↑今後の出版予告まで引き出して、林さんのトークは軽妙。ついには、われわれ身内が、長年ずっと思っていたけど口に出さなかったことまで出てきました。
「(林) 失礼かもしれませんが、みつはしさん・・・私と・・・すごく似てるような気がして」
これは容姿コンプレックスの話題からの流れですが、そう、不美人を作品の原動力の一端にしている・・・と公言して70~80年代に女性たちの喝采をあびた二人は、非モテ系女子作家というののはしりかも。
じっさいは、自分のような顔もからだも薄い人間から見たら、トロンとした目や厚い唇、豊満な胸、からだ全体からあふれる(漏れる)パッション、それはドキドキするような色気に満ちて、若い頃のプライベート写真なんか見たら裏切られた感じがしましたけどね。
「こういう娘を好きな一定数の男って、いるよ! これでブスブス言うなんてずるいよ!」
お二人とも夫君はハンサムだし、実はボーイフレンドもいっぱいいてモテる。『江古田ちゃん』か『アラサーちゃん』ふうに言えば、もっともするどい猛禽タイプかもしれません。
とりもなおさず、それは、人間として豊かだからだろうな、と同じページに並んだ顏を見て思う。ほんと似てる。
長く第一線で書き続けてヒットし「でも(印税は)友達にごちそうしたり、パッパと…どこかに消えましたね」という性質も、ものすごく人に気を遣われるところも似ている。
豊かすぎて漏れてしまうというか、人に分け与えずにはいられない、そういう「作家の顏」というのはあるのだなあと、あらためて、まじまじと眺めたのでした。
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