突然ですが、こちらは、片方は50万円のピアス、片方は5千円のピアスなのですが・・
50万円のは、どっち??
本気でわからなくなってしまい、困っています。
母から賜ったタテ爪ダイヤモンドリングを、20代に自分でデザインしたごん太ゴールドリングに変え、今度はピアスに作り変え、と変遷してきた代物です。リフォームって楽しい。
でも、最近の心境として、あまりオシャレっ気とかデザイン性は要らないから、311みたいな大震災に遭っても絶対はずれなさそうなものを・・と、軸の太さ1.2ミリの特注でお願いしました。
ジュエリーのリフォームは、20年近く こちら、原宿のサロン石の花にお願いしています。
20代で女性雑誌を編集していた頃、読者の全員サービス用や懸賞用アクセサリーなど、いつも泣きついては、高品質なものを良心価格で作ってくださって、とても信頼しています。
それで、今回も、もう一つ同じ大きさのダイヤピアスを作っていただこうとしたら、
「この大きさだと、50万円くらいかな・・・」
(・・)えっ。
「…デパートだとね。でも、うちならば10万円強で仕入れられるから、20万円くらいで作ってあげられるかな」
おおー。
そう、このお店は本当に上質でコスパのよい石を扱ってくださるので、世界中からアーティスト、ヒーラー、芸能人など、うるさいお客様がやってくるのでした。
原宿マダムの聖地といわれいて、あのデヴィ婦人もこの店の「ママさん」のファン。
山梨出身で、戦後に水晶の扱いから始めた目利きの先代~現社長へと継がれたルートで、世界中から高品質の石が集まり、それを自社職人さんが加工するので、特にダイヤモンド製品はお得価格になるそうです。
「えと…。でも、とりあえず片方はジルコニアでいいです」。
というのは、予算のこともあるけど、うつけ者の私が使うと母のダイヤモンドが本当にどっちかわからなくなりそうだから。
不要なジュエリーの地金は買いとってくださるので、結局このピアスは、製作費はほぼ無料となりました。
宝石って、なるべく“氣”のいい場所で入手したいと思うけれどそういう意味でもこちらは安心なのです。
◆
社長は数年前に亡くなった「ママさん(妻)」をそれはそれは愛する、おしどり夫婦でした。
お店に伺うと「見てー見てー、これもママの写真」って、何枚も見せてくださって。
こちらは俳優トニー・カーティスとのショット。トニーもデレデレの美貌ですね。
そんなノロケをたっぷり聞かせてくれる社長、今回は、ママさんの七回忌に読んだという「ラブレター」を見せてくれました。
「風の盆のおわらの里は我が妻のふる里なりし 胡弓の音流るる・・・・」
「越中おわらの雪もとけ 暖かい春がやってきたら 貴女ももう一度 この世の春に生まれたら・・・」
そう、ママさんは私と同じ冨山県ご出身で、おわら風の盆で有名な八尾っ子。
同郷の、その雪どけの情景と、水音と、陽だまりを、私も思い浮かべることができます。
連綿と思慕がつづられた それは、3メートル近くの巻き物になったロングラブレターなのでした。
染みる…。
夫よ、、もしも私が先に死んだら、このピアスを形見にしてね。
「ええー。ダイヤモンドのピアスなんてつくる気。あんた、そんなお金があるんなら代わりに家電でも買ってよ」
と、風情ゼロの夫に叫ばれて、ピアスのひとつは、結局ジルコニア製と相なったわけですが・・
◆
仕上りを受け取りに行った日は、社長が不在で、お嬢さん(店長)がいらっしゃいました。
このお嬢さんがルーペで5分も確認されて、
「うう…? どっちがダイヤかしら??」と悩まれるほど、ジルコニアのピアスが精巧にできている。
さすがの職人技です。
そして、「わかりました、こちらです!!」という方の軸に、マジックでチョンと印をつけていただいたのですが、
帰宅したら、
印が消えていました(・・)
どちらが本物かわからないまま、3日たちました。ほんま、どないしよう。
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