こんにちは。岡山県…といえば「わら」にばかり出かける私共ですが、岡山にはまだまだ凄いものがあります^^
そこは、日本全国から、作家やマニアが新幹線で買いつけにくるお店。本店だけで220坪・50万冊もの蔵書をもつ日本最大の古書店。その名も「万歩書店」
お化け屋敷のように素晴らしい空間でした。こわごわ探訪録を、来週の新聞に寄稿させていただきます。
北斎さんの唐詩画の版本など、レア本をたくさん見せていただきました。
そして何気なく北斎さんをwikipediaチェックしていたら…。
ひどい人ですね。
行儀作法はまことに野放図。いかなるセレブリティに依頼されるも俺流(お呼ばれすっぽかしは日常茶飯事)で、腐った残飯や虫の糞尿やカビで埋め尽くされた汚部屋で、賓客が来てもシラミだらけのこたつから出ず、ブツブツ言いながら絵筆をとる様子が…、
…凄まじい匂いとともにwikipediaから漂ってきます。
北斎先生、社会不適応すぎます(・・)。「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に唯一ランクインした日本人は、本当にこんな汚人変人だったのでしょうか。
<wikipediaから抜粋>
生涯に30回と頻繁に改号。
93回に上るとされる転居…一日に3回引っ越したことも。
居酒屋のとなりに住んだときは、3食とも店からデリバリー…包装の竹皮や箱のまま食べて、ごみをそのまま放置した。
画工料は通常の倍(金一分)を得ていたが、赤貧で衣服にも不自由…画工料が送られてきても包みを解かず、数えもせず机に放置しておく。
だれかから「いなかものだ」と言われるのを、密かに喜んでいた。また、歩くときに常に呪文を唱えているので、知人にあっても気がつかない。
柱にはミカン箱を打ち付けて仏壇としている。
---こういう記述を眺めると、どれほど無頼漢ですかと思いますが、こんなエピソードも。
弟子の露木為一の証言では、「先生に入門して長く画を書いているが、まだ自在に描けない…」と嘆いていると、
北斎の娘の阿栄が笑って「おやじなんて子供の時から80幾つになるまで毎日描いているけれど、この前なんか腕組みしたかと思うと、猫一匹すら描けねえと、涙ながして嘆いてるんだ。何事も自分が及ばないと自棄になる時が上達する時なんだ」
と言うと、そばで聞いていた北斎は「まったくその通り、まったくその通り」と賛同したという。
仕事や作品がスラスラ出来る方法…という、ご都合メソッドについ私は関心を向けますが、偉大なる北斎先生の言葉が身に染みます。
◆
もう一点、興味ぶかいのは、
「乱れた生活、不衛生な部屋、汚れた衣服を着ている、引っ越しが多いというのは 往々にして酒飲みの行状」
と推測されるも、酒はからきし下戸であり、煙草もたしなまなかったという記録です。
311以降、多くの研究家が「食」についても本当のことを発表するようになりましたが、
酒・タバコ・アルコール・カフェインどころか砂糖も、脳神経に深く作用し麻薬漬け状態にする…スイーツの嗜好でさえ結局は「中毒」状態なのだと知られるようになりました。
私は13年前に鈴木その子さんに傾倒して本をつくり、「砂糖=ブドウ糖としての脳の唯一のガソリン。であるから甘い物=肝臓のグリコーゲンを切らすな」説を信奉してきました。
が、ボチボチ誤りをみとめて自分の脳みそを更新しなくちゃと思います。
糖分は、自然界に有るもの(砂糖以外)から体内で吸収できることが望ましい。遺伝子設計は「スイーツ食べて脳ミソばんざい」というふうには、出来ていない。
◆
特に創作系の仕事のひとは、上のような嗜好品に、自分の脳神経を乗っ取られ、ハンドルを渡さないようにしたほうが、長い間たくさん、クリエイティブな仕事ができる・・・
↑
最近の敏感な若い作家たちは、先輩に「つまんねえ」と言われつつ、こういうことを耳ざとく知り、大酒、煙草、暴飲暴食をやらなくなってきました。
つまんない、とちょっと思いますけどね。作家はやっぱり頭がヘンになって破滅的になってくださらないと^^
・・・・・・で、話は飛びましたが、90歳まで生き、世間常識や習慣にフラつかなかった北斎先生は、感覚的にこういうことを知っていた新人類だったのではないか。
お茶も、脳神経にひびくような「上物」は敬遠していたようです。ただしスイーツにはやられたようで、客が大福をもってくると大喜びしたという記述があります。月に何回かは食されていたでしょうね。
何より先生、酒タバコ砂糖カフェイン麻薬…やらなくても、十分イッちゃっておられますしね。一番羨ましいのここです^^ ナチュラルハイ—–
コメントを残す