東京直下型大地震で生きのびるには

微熟女です。

きのうは渋谷UPLINKで原発ドキュメントを鑑賞しました
『立入禁止区域』双葉~されど我が故郷~

内容もさながら、双葉町の自治会長「Aさん」の姿を発掘してくれたのがよかったです。

東北地方にはやはり、時々とんでもなく徳の高い人がいるなと思わされました。Aさんは「ラストサムライ」だと、監督もトークショーでおっしゃっていました。


Aさんは3.11後、猪苗代のホテルに避難しながら、人々のケアに奔走しました。

建設会社におつとめだったころ、リーダーとして建設にたずさわったのが、そのホテルだったそうです。まさか40年後、被災者としてお世話になるとは。

因果ってやっぱりあるんやなと、ゾクッとしました。生き方ってやっぱり有事に露呈しますね。Aさん達はホテルからとても丁寧に扱われていました。

そして仮設住宅がきまってホテルを出るとき、部屋のひとつひとつに礼を言い、トイレにまでも帽子をとって頭を下げていました。奥さんとキュウーと手を握りあったりして…「かわいい」という感じで笑っている鑑賞者がいましたが、「夫婦仲良し」なのも徳が高い人っぽいなと感心しました。

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トークショーでのAさんのお話、映画よりぞくぞくしました。

3.11後、命懸けで上った小山の上で、村の人々はたちまち凍えそうになったそうです。そして「あれを燃やすしかない」と。

あれとは、とある、神の施設です。「あとで新聞記者と現場を検証してから、正式に発表しますから、内緒にしてください…」ということで、詳細は書けませんが、

「“あれ”を燃やしてまで生き延びた人間の姿は素晴らしいと思うのです…」Aさんはボソボソとおっしゃいました。


そうして生き延びて、ふるさとに絶対帰りたい筈だけれど、Aさんは「ふるさとが、もう核の最終処分地になってしまってもいい」とおっしゃいます。

「ふるさとを愛しています、でも、もう帰れないのですから」

「帰れないのですから」

「帰れないのですから」

何度も消えそうな声でおっしゃいました。

6代7代も…300年も400年も棲んできた人が多いような東北マインドの中での、そういう覚悟は、私には理解しきれません。

帰れないくらいなら、世界中から忘れられないような、負の遺産に。

「東北に押しつけないで、がれきも核のゴミも、全部東京が引き取れ」という意見もあります。それも道理だと思いますが…。

「そんな東京も、いつ直下型大地震がくるか、わかりません。日頃から心の準備をしてください」とAさんはおっしゃいました。

東京地震が近い、という方は本当に多いですね。かなり信頼の置けそうな方までそういうことをおっしゃいます。

やっぱりロングネイルは避難の支障になるからやめとこう、などと思う小心者ですが、いざそれが来ても、Aさんのように、サムライでいたいです。

Aさんの話し方を見ていて気づいたのは、ボソボソしたお話のし方ながら、とても「息が深い」こと。


大地震の際、瓦礫の下に埋もれてしまったりしたら、いかにパニックを起こさずにをしていられるかが、勝負のわかれめになると聞きます。

ーーー以前、大阪の池田小学校というところで大量殺傷事件が起こりました。事件の瞬間、目の前で次々と刺される児童をみて、子どもたちはもちろん、先生たちもパニックになり、通報に時間がかかりました。

このとき、もっとも早く119番通報できたのは、とある「お寺の子ども」さんだったそうです。

まだ低学年のその子は、毎日「読経」をしていたそうです。宗教的な意味ではなく、読経の際にふかく息をはく習慣が、その子の精神を安定させていたのでないかと言われています。

いつぞやテレビで見ましたが、韓国のとあるデパートが崩落した事件…のときにも、生きのびた女性店員が同じようなことを話していました。

瓦礫の下にうまった瞬間、ワーワーと泣き叫んでパニックになったほかの同僚は、だんだん声が枯れていき、亡くなったそうです。

生き延びたその女性は、叫ぶのをガマンして、自分のお小水を手でうけて飲んだりしながら、ジッと息をしていたのだそうです。


人間、死ぬときは「息を引き取る」といいますし、どれだけ長く力強い息を「吐ける」かが、生のかなめ、なのでしょうか。

取りとめのない日記ですみませんが、これから座禅でもして、深呼吸をして。おはようございます^^

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