悩まずに書く才能

微熟女です。

先日、漫画家の猿渡哲也先生と、その師匠である平松伸二先生にインタビューさせて戴きました。

格闘技漫画、流血漫画を描かせたら双璧と言われるお二方。

40代までの男子なら、一度はこころ熱くさせられたことがあるでしょう^^

ザ・松田~ブラックエンジェルズ /平松 伸二

↑名作ブラック・エンジェルズのスピンオフ漫画です

TOUGH-タフ- 35 (ヤングジャンプコミックス)/猿渡 哲也

↑これから神の領域にはいりそう。

作家さんに取材させていただくたび、ノウハウをごそっといただくことを密かな楽しみにしていますが、今回も猿渡先生からよいお話が。

猿渡先生は集英社『YOUNG JUMP』で週刊連載しています。
毎週、20数ページのストーリーを考え、絵を描かれるわけです。そのうえ、他誌でも連載している作家マシンのような方ですが、ネーム(あらすじ≒プロット≒コマ割り)は、毎回たった3時間で仕上げるそうです。

これは私が見聞きした漫画家さんの中で最速。
あと一人、この速さでやるのは本宮ひろ志先生ぐらいだとか。

ほとんどの作家がウーンと悩み、時間をとられるこの部分、平松先生は同じ分量で5日かかるとおっしゃいました。

「そんなに時間をかけたら、漫画を描くこと自体イヤになる」という猿渡先生は、ある時から「悩むのをやめた」そうです。

必ず編集者と一緒にストーリーを考えることにして、少しでもコマやセリフに迷った時は、編集者との会話のヒントで解決するように決めたと。

「何時間も費やしても、結局は無駄に堂々巡りしているだけ。血液でも経済でもそうだけど、停滞することがいちばん良くない」と。

ほ(・・)う。

確かに、どんなジャンルの文章でも言えることですが、書くときに悩みすぎたものが、悩む前のものより、よく仕上がるためしはない。(私は(・・)そうです)

悩んで何回も書き直すから駄作になっちゃうのですよね。

もし、身近にヒントをくれる人がいれば、託してみればいい。「私の○○文章どうかな」と意見を聞いてみればいい。でも、多くは自我やこだわりがじゃまして、悩むことを手放せない。

猿渡先生は、悩まれたコマは「あとで~」と丸をつけて、先へ進むそうです。これも普通はなかなかできない。…たくさん仕事できるためには、秩序や順列も捨てたほうがいいのでしょうか。

平松先生と同じく「それは絶対無理」「動物園は順番に回る」派の私。(日本人の多くはそうでは)
どんな構成でもストーリーでも、順番で考えないと気持ち悪いのです。

「前回のストーリーですら、しばしば忘れている」という猿渡先生の言葉にいたっては、信じられません。

よほどスッパリ、オンオフを切り替えることにしてらっしゃるのだな、その結果、20数ページの週刊連載を、18年間もつづけるというマッチョな事が可能になるわけですね。

これって、どんな文章においても…

下手くそでも、めちゃめちゃの出鱈目の文法でも、気にせずに取り急ぎのエンドマークまでダダダダーッと突っ走れる人、そしてイイ感じで他人任せにできる人が、結局は上達していくのかもしれないですね。

悩むことをやめた人からうまくなる^^ のかもしれない。

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おごるかも

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