ホーム(レス)キーパー日記№12 こちらのつづき
きょう出勤してくれたテルちゃんの格好を見てびっくり。いかしたライダースジャケットをお召しです。
私が、2年半前の冬に出会ってしまったホーム(レス)キーパーさんとの微妙な生活。なれそめはこちら。
「そのジャケットかっこいいね」と言ったら、「フリマで安かったの」だって。おっ、テルちゃん、お金回りが良くなってきたのん。
「そういえば最近は手荷物もスッキリしてるけど、ロッカーとかに預けてるの?」
「ううん…渋谷の”南平台”に置いてあるの」
確か前に聞いたのは、テルちゃんは週1回×2000円でフリマの見張り番をする定職をゲットし、その依頼主が南平台に住んでいるということでした。
「じゃあ、その依頼主のおうちの一角とかに居るの?」
「あいゃ…、そうゆうわけじゃなくて。…その人は、仕事ばっかりのキャリアウーマンで、結婚しないままで、ブランド物とかいっぱい持ってて、気が強くて、60歳すぎで同い年くらいだけど、わたしとなかなか気が合わなくて、こないだもケンカして…」
相変わらず自分のこととなると、要領を得ない説明なのでした。テルちゃんのような妖精さんと気の合う同世代は、なかなかいないでしょう。
とどのつまり、その人からいつ仕事の依頼があるかわからないので、常に近く(の路上)で待機している…らしい。私の住みかや事務所付近をウロウロすると、「この施設に電話してみて」「たまには家族に連絡しないと」ってうるさく言われるから、出勤日以外は近づかないんですね。荷物は、雑居ビルのどこかに隠しているようです。
* * *
もう世話を焼き過ぎないことにしましたが、今年も厳寒の時期がせまっています。
↓こんな悪どいことはやらなくても、テルちゃん’sをまとめて収納する合理的な方法はないものか…。でも、言ったら絶対イヤがられるんですよね。人と暮らしたくないって。
私がうるさく言う気配を察して、テルちゃんはスタコラサッサと帰りました。
ちなみに、ベージュのジャケットは格好いいけど、下は、目の覚めるようなコバルトブルーのレギンス。白いうず巻きみたいな模様が浮き出ています。レギンスっていうか、中国雑技団の衣装みたいです。
これは、「109のトコでちょっと」だって。こんなナウい商品は109では販売していないと思うので、恐らく、その付近で天から授かったのではないか。
渋谷の中心をねぐらにしているので、ファッションが日に日にギャル化しているテルちゃんなのでした。
No.13に続く
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